私たちウエディングプランナーは、結婚式のプロフェッショナルです。
人生最大ともいえる大切なイベントのプロデュースを託していただくことに感謝し、当日主役のお二人が120%満足していただけることを心から願っています。
だからこそ、新郎新婦のお二人には声を大にしてお伝えしたい。
「私たちスタッフを、どうぞ存分に頼ってください!」と。
今回は、当館で実際に起こったハプニングのエピソードを交えつつ、我々ウエディングスタッフの「プロフェッショナル魂」についてお話します。
突然のカラオケ曲目変更!事件は起こった
綿密な打ち合わせを重ね、いよいよ迎えた結婚式当日。
披露宴は滞りなく順調に進み、ゲストの皆さんのお酒も進み、パーティーがクライマックスに向かっていた最中、事件は起こりました。
あらかじめ予定されていた、ゲストによる歌のプレゼント。
もちろん、カラオケの音楽もしっかり準備していました。
ところが、歌うゲストの方が突然、
「私、今日はこの曲じゃなくて、こっちの曲を歌うことにしたから」
とおっしゃったのです。
土壇場で気分が変わられたのでしょう。
そのゲストの方に悪意はありません。
しかし、それを聞いたスタッフは顔面蒼白。
その方が今から歌うと宣言された曲は、披露宴のエンディングの見せ場、エンドロールのBGMとして、既に使われていた曲だったのです。
まさかの選曲かぶり!さあ、その時どう動く?!
その曲は、実は新郎新婦のお二人が一番大好きな曲でした。
だからこそ、感動のエンディングで是非流してほしい!とたっての希望があったのです。
その曲がエンディングよりも前に一度会場に流れてしまうというのは、演出として間違いなく「イマイチ」です。
とりあえずこのハプニングを大急ぎで主役のお二人にお伝えしました。
「そうですか・・・でも仕方ないですよね。かまいませんよ。」とのお答え。
でもどこか残念そうな表情は見逃せませんでした。
実際、何もご存知ない会場のゲストの皆さんからすれば、そんなに気にならないことなのかもしれません。
新郎新婦の大好きな曲を、ゲストが余興として披露し、エンドロールで再度流すだけ。
特に違和感はないことなのかもしれないけれど・・・
いえ、それでも今日の日を一生の思い出として心に刻むお二人のために、最善を尽くしたい。
ほんのちょっとでも残念な気持ちにさせたくない。
私がそんなことを頭の中でぐるぐる考えているうちにも、ゲストの方による「例の大切な曲」の歌唱は進んでいきます。
プランナーとして、プロとして。
なんとかしなければ・・・!!
土壇場で発揮されたスタッフのチーム力
私は音響スタッフの元へ駆け寄り、告げました。
「今から20分以内で、エンドロールのBGM、差し替えられますか?」
しかし音響スタッフは、今まさに進行中の披露宴の音響操作も手がけているのです。
さすがに直前のBGM差し替えは無理でした。
それでも事情を察した音響スタッフは、
「わかりました、ではエンドロールの映像は音無しで流して、音だけ新しい曲を流しましょう。
今から映像の尺を、新しい曲に合わせますので!」
そして即座にVTR編集に取り掛かってくれました。
エンドロールは、字幕の終わりと曲の終わりがピタっと揃わないと、格好が良くないんです。
そのためには、映像の長さ調整は必須。
会場の音響操作も通常通りやりつつ、一方でVTR編集しつつ、の神業的な作業を快く引き受けてくれた音響スタッフを、改めて頼もしく思いました。
そして無事エンディングを迎え、エンドロールで流れた曲は、お二人が打ち合わせのとき、2番目に好きな曲だと言っておられた曲。
実は1番好きだとおっしゃっていた当初のBGMとどちらにするか、最後まで迷われていた曲でもあったのです。
ゲストさんの突然のカラオケ曲変更によって、1番好きな曲は先に流れてしまっていたのですが、予定外とはいえ、2番目に使いたかった曲を聞くことができて幸せそうなお二人。
当然、VTR終わりとBGM終わりはバチっと揃って完璧なエンドロールに。
ゲストの皆さんにとっては、通常通りの感動的なエンディングに映ったことでしょう。
でも主役のお二人にとっては、ある意味サプライズ的な予想外の演出となり、それはそれは喜んでくださいました。
後日きちんとBGM曲を挿入した形でエンドロールVTRをお渡ししました。
お二人の最高の一日を、決して諦めません!
私たちはプロとして、どんなときも、新郎さま、新婦さまにとって人生最高の一日をクリエイトする、という使命を諦めたりしません。
土壇場での判断力や行動力が試され、なかなかスリリングな場面も時にはありますが、それでもお二人の「最高の結婚式だった!」という一言と笑顔のために、精一杯駆け回ります。
どうかそんな私たちの情熱を信じて、ドーンとお任せくださいね。